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1. 用語の定義と解説

1.1 一般的な論理学の用語


1.1.9 帰納(キノウ):induction

 演繹(エンエキ)と対にして使われる推論法です。個別の事柄から出発して、一般的な法則や結論を導く方法です。もし例外が見つかれば、この結論は正しくありません。完全帰納法(完全枚挙の帰納法)とは、実例をすべてあげて一般的な法則を導く方法です。「a1 ならばPである」、「a2 ならばPである」などをすべて積み上げていって、「A=(a1 ,a2 …)ならばPである」のように発見的に法則を導きます。幾つかの例を学習して法則を導くことは、帰納的推論であるので learning from examples と言います。AからPへと言う流れは「AならばPである」または「AはPである」と言う論理の向きでみると順方向ですので、前向き推論>(forward reasoning) 、前向き連鎖(forward chaining)と言う用語がAIの方で使われます。また、ボトムアップ推論(bottom-up reasoning) や、ボトムアップ探索(bottom-up search) の用語があります。個別のものを下層に置き、積み上げて法則を導くという構造を念頭においた用語です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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