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B4. 区切り符号の使い方(Punctuation Symbols)


 
まる
(句点)
 
(最近は全角英字用のピリオドを使う傾向がある)
(1)
文章の終りに付ける。括弧の中で文章が使われている場合にも適用する。
例: ....とする(BはAである。)。
(2)
並列の項目で、“....すること”、“....とき”、“....場合”などで文末が終るときにも用いる。
(3)
表題、題名、その他簡単な語句を掲げる場合、事物の名称を並立する場合などには用いない。

 
コンマ
(読点)
 
 
(最近は全角英字用のコンマを使う傾向がある)
(1)
主語、主題を示す“....は”、“....も”の後につける。
(2)
条件や制限を表す語句の後につける。
例: ....場合、 ....するとき、 ....する限り、
(3)
文の始めの副詞句の後につける。
例: 特に、殊に、更に、既に、例えば、なお、また、しかし、ただし、したがって、
(4)
二つ以上の名詞または語句の並列のとき、それらの区切りに用いる。
例: 邦文        (対応する英文表記)
A,B,Cなど....  (A, B, C etc.)
A,B及びC....   (A, B and C)
A,B叉はC....   (A, B or C)
(5)
誤解を生じる恐れがある場合に用いる。語句の切れ目、意味の切れ目、自然の息継ぎで間を取る場合、など。
例:  ひのの、ののみや。ひののの、のみや。
 

 
中点
(1)
名詞の並列で、コンマで区切るより、集合の意味あいの強い場合。このとき、“など”、“及び”、“又は”をつけない。
例:  材料・寸法・質量、上側・下側
(2)
集合がさらに集まるときには、括弧を適当に使うと良い。
例:(上側・下側)、(全面・側面・背面)及び正面
(3)
コンマで区切ったのでは文章が読みにくい場合。
例:板の上側、下側から → 板の上側・下側から
(4)
題名・見出し・表などの中、名詞の連結などの場合で、体裁をよくしたいとき。
(5)
並列の項目に共通する語句があるときその語句を省かないようにする。
例: 電気・蒸気機関車 → 電気機関車・蒸気機関車、上・下許容差 → 上・下の許容差、 → 上許容差・下許容差
(6)
掛け算の記号には、中点記号(・)、星印(*)、英字の(X)または(x)を使わないで、掛け算記号(×)を使う。
 

コロン
(1)
例を示すときに、“例”又は、“例3”などの文字の後。
(2)
用語、記号を説明するとき、その用語、記号の後。
(3)
時刻の表示コードでコロンを使うとき(JIS X 0302)。
 
“ ”
引用符号
 引用符号は、語句を引用する場合、又は文字・記号・用語などを特に明らかにする必要がある場合に用いる。(例としては、この表中での使い方を見ること)
 

 
連続符号
 一般には“....から....まで”の意味を符号で与えるときに用いる。なお;
(1)
単位を数値の後に示す必要があるときは、右にくる数字の後にだけつける。
例: 呼び径4〜10mmの場合には....
(2)
文字や記号、符号などが頭につく場合には、変化する可能性のある記号は、繰り返すのが良い。
例:JIS Z 8310〜Z 8318
(3)
数で表す範囲の意味は、前後の数値も含める。
例:14〜20は、14も20も含まれる。
 

 
ダッシュ
(1)
主題と副題、書名と副書名などの区切りに用いる。
(2)
連続符号“〜”とは異なり、所属の意味などで用いる。
例:JIS Z 8120―1978
(3)
漢字コードでは、かな文字の長音記号、数学のマイナス記号とは異なることに注意する。英文タイプでは、ハイフン二つでダッシュの代用にする。英文ワープロは、ダッシュ二つを入力するとダッシュに変換してくれる。
‥または…
 
(省略符号)
普通には、二点記号(二点リーダ)を二文字分並べる。漢字コードには、二点リーダと三点リーダとが定められている。

 
繰り返し符号
(1)
原則として、“々”だけを用い、同じ漢字を繰り返す語にだけ用いる。
例: 我々(現在では“われわれ”のような仮名書きが多くなった)
(2)
“ヽ”、“ヾ”、“ゝ”、“ゞ”、“〃”などを、かな文字の繰り返し記号に使わない。
(空白) 日本語で文章の中で空白を置くのは、?と!の後である。

 ( )
丸括弧
(1)
一般には、丸括弧を用いる。
(2)
括弧が多重になるときの使い方は、内側から、丸括弧、角括弧、波括弧の順とする。
(3)
かぎ括弧「 」、英字の符号<>などは用いない。
(4)
括弧は、必ず対に使い、閉じていなければならない。
(5)
項目見出しなどに、1)、2)、a)などのような片括弧を、できれば使わない。片括弧の代わりにコロン“:”を使うのも一つの解決法である。
(6)
波括弧は、単位系の異なる数値を併記するときに限って用いることができる(JIS Z 8301)としている。
例:80kPa {600mmHg}, 490N.m {50kgf.m}
(7)
大きな寸法の角括弧、波括弧は、複数の行にまたがる項目をまとめる目的につかうことができて、片括弧でも良い。

 [ ]
角括弧

 { }
波括弧
英語の記号との混用など
(1)
日本語文章の中に、英字・数字・記号が交じる場合が少なくない。その場合の記号などの使い方は、英字の習慣に従う。
(2)
ワードプロセッサの印刷形式で、英字・数字・記号には全角と半角との二種類がある。本文中は、なるべく半角を用いる。
(3)
二次元、2次元、2次元など、数字の入る用語では、数字に漢数字、全角ローマ数字、半角ローマ数字など、の選択に迷うことがある。用語としては漢数字にする。数の意味が強く、漢字部分が単位としての意義が強くなるときは半角ローマ数字を使う。
備考:この表は、JIS Z 8301(規格票の様式)を参考にした。


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