(3) 電動の英文タイプライタをコンピュータに繋いで印刷をさせるとき、文字以外の制御コードが必要です。標準として使われるものは、改行(CR)、行送り(LF)、空白(SP)、タブ(HT)、ベル(BEL)の5個です。文字データだけを記録するテキストファイルは、英字・数字・記号のコードと、この5個の制御コードを使います
(4) 電話線を介して通信を行うとき、以前は6ビットのコード系を使っていました。この場合、英字の大文字と小文字にコードの区別ができませんので、この打ち分けタイプライタのshift状態を切り換えるSIとSOのコードを使いました。8ビットのコード系を使うようになって、英字の大文字と小文字とを別コードで表せるようになりましたので、このshift変更コードを使う必要がなくなりました。
(5) 電報などの送受信に使うテレタイプライタでは、文字データを送る前後に種々の信号の遣り取りをします。その目的に使うためのキーがコンピュータ用のキーボードに引き継がれています。代表的なものが、ESC, DELです。この他のコードは別文字やラベルを当ててありますので、下に示す文字は直接にはキーボードに表示されていません。
表2:通信用の制御コードの呼び方文字 |
英語での名称 |
HEXコード |
解 説 |
NULL |
null |
00 |
空白。スペースと紛らわしい用語です |
SOH |
start of heading |
01 |
ヘッディング開始 |
STX |
start of text |
02 |
テキスト開始 |
ETX |
end of text |
03 |
テキスト終結 |
EOT |
end of transmission |
04 |
伝送終了 |
ENQ |
enquiry |
05 |
問合せ |
ACK |
acknowledge |
06 |
肯定応答。了解の意義に良く使う |
BEL |
bell |
07 |
ベルを鳴らすコード |
BS |
backspace |
08 |
後退。前の文字を消すときに使う |
HT |
horizontal tab |
09 |
水平タブ。タブキー |
LF |
line feed |
0A |
改行。CRと一緒になっている |
VT |
vertical tabulation |
0B |
垂直タブ |
FF |
form feed |
0C |
書式送り。プリンタの改ページコード |
CR |
carriage return |
0D |
復帰。テキストの改行コードに使う。 |
SO |
shift out |
0E |
シフトアウト。下段文字への切り換え |
SI |
shift in |
0F |
シフトイン。上段文字への切り換え |
DLE |
data link escape |
10 |
伝送制御拡張 |
DC1-DC4 |
device control |
11 - 14 |
装置制御1〜4 |
NAK |
negative acknowledge |
15 |
否定応答。了解できないと知らせる |
SYN |
synchronous idle |
16 |
同期信号 |
ETB |
end of transmission block |
17 |
伝送ブロック終結 |
CAN |
cancel |
18 |
取消 |
EM |
end of medium |
19 |
媒体終端 |
SUB |
substitute character |
1A |
置換キャラクタ |
ESC |
escape |
1B |
拡張。取り消しの目的によく使う |
FS |
file separator |
1C |
ファイル分離キャラクタ |
GS |
group separator |
1D |
グループ分離キャラクタ |
RS |
record separator |
1E |
レコード分離キャラクタ |
US |
unit separator |
1F |
ユニット分離キャラクタ |
SP |
space |
20 |
間隔。スペースバーで打つコード |
DEL |
delete |
7F |
抹消。後ろの文字を消すときなど |