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1. 座標系と長さの概念

1.2 座標系の約束


1.2.1 碁将棋の記録も座標系が使われる

 ボードゲームとしての碁・将棋・チェスなどの対戦記録は、盤上の石や駒の種類とその位置を示す記号が使われます。これも座標表記の約束です。碁の場合には左上が基点、将棋では右上が基点になっていて、横軸の向きの約束は左右反対です。座標が意味する中身は、碁の場合には縦横の交差線の位置を表しますが、将棋では駒が入る領域を指します。日本での表記法は、アラビア数字と漢数字を組み合わせて、横軸・縦軸の順で言う約束です。座標系の約束は、座標軸の向きと座標値の表し方(単位)の二つを使います。向きは、図を描くときに必要であって、人の目線に合わせるのですが、どちらの対局者を基準とするかで、用紙に表すときの上下の向きが決まっています。詰め碁や詰め将棋の問題は、部分的に盤を使い、その部分だけに別の座標表記を使うことがあります。この扱いが、世界座標局所座標の区別です。数学で扱う直交座標系では、座標数値に実数を使います。碁・将棋の座標値は1から始まる整数で表現します。しかし、チェスの場合は英字並びと整数順の座標値を使っています。この区別をするとき、実数を使う座標をアナログ座標、整数を使う座標(英字も含む)をデジタル座標と言うことがあります。実数座標は点の位置を表し、デジタル座標は領域の位置を表す性格があります。
2008.1 橋梁&都市PROJECT

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